活動レポート「黒米味噌本舗」
一面に咲く蕎麦の花
福島県は、太平洋側の浜通り、真ん中の中通り、新潟寄りの会津の3つの地域があり、気候や風土が異なるため食材が豊か!「食材の宝庫」というのもうなづけます。
今回おじゃましたのは、新潟との県境にある西会津の「黒米味噌本舗」さん。
広い田んぼに蕎麦畑。後ろには雄大な山々が望める。そんな深呼吸したくなるような場所で、甘酒と味噌を作られています。
「ここの気候は新潟に近いんです、冬はこちらに来るトンネルを抜けると突然吹雪、ということもあるんです」というのは代表の鈴木二三子さん。
代表の鈴木二三子さん
鈴木さんのお家は、先祖代々の農家。震災前から、農業用の土や資材を販売する会社も営んでいます。
しかし、震災をきっかけに状況は一変。原発の風評被害で販売量が減少したことや、子どもたちの健康を考えたことから、もともと自家用に作っていた味噌の製造販売を始めました。
「いま味噌って全然売れないんですよね。でもせっかく味噌用に糀を作るんだから、一緒に甘酒を作ろうと。小さい頃から作って飲んできましたら、そんなのはお茶の子さいさいだ、と。それで昔ながらの甘酒を作り始めました」
お米の重みでしなる稲穂
なるほど、臨機応変に対応できるのは農家の知恵かもしれません。でも、なぜプレーンな甘酒(むかし造り)に加えて3種類も甘酒を作るようになったのでしょうか?
「平成元年から契約栽培で黒米を生産していました。健康のために、と食べ続けてくれる人がいたんです。そこから、黒米にはポリフェノールが多いから、甘酒にいいかもしれないと思って」
「さらに、健康への意識が高く、もともと黒米を買ってくれていたお客さまが『紅糀(べにこうじ)』の話をしてくれたんですね。私もたまたま紅糀の作り方をベトナムに行ったときに見ていたので、私でもできると思って」
「むかし造り」・「黒米」・「紅糀」の3種類ができました。
あとの1種類は?
「3つでは“身を切る”ということで、縁起が悪いんじゃないかと思ってね。当時孫が受験生になったこともあって、頭が活性化されるというGABAが含まれる発芽米を使った発芽糀で作りました」
彩りと選ぶ楽しみがポイントの、4種の甘酒の完成です。
甘酒姉妹
黒米味噌本舗の甘酒は昔ながらの製法で作っているからか、どっしり濃厚でエネルギーに満ちている気がします。何か秘密はあるのでしょうか?
「うちの米で作った麹菌は、私に似たのか頑固で生命力が強いんです!だから再発酵の可能性があり、常温では流通させられなくて。普通は再発酵なんてしないんですけどね。常温で流通している甘酒は過熱や防腐剤で完全に発酵が止まっている、つまりは麹菌がみんな死んじゃってるんです」
会津育ち・頑固者の糀のエネルギーをいただいているわけですね!
しかし、冷蔵でしか販売できないと置いていただける場所も限られてくるわけです。そのこだわりを伝えながら、うまく流通に乗せられないか…ここからの課題ですね。
ふわふわと駆け回る烏骨鶏のひな
帰りに飼われている烏骨鶏のひなちゃんたちにご挨拶。
甘酒も烏骨鶏も西会津でのびのび育っているのですね!
ふくしま満天堂 事務局編集部
黒米味噌本舗の商品
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