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活動レポート

2017.12.06

活動レポート「東栄産業」

担当の安藤秀機さん

6次化産業というと、1次産業(農林水産業)の事業者さんが加工品をつくり、販売まで行うというイメージですが、福島県の場合はちょっと違います。

「福島の豊かな自然が育んだ農林水産物を原料とし、1次(農林水産業)・2次(加工)・3次(流通) の各産業が連携して生まれた加工品」

つまりは、地元の生産者さんたちが懸命につくった食材を使い、加工しておいしい商品にみがきあげていくのも、もちろんOKということ。

 

東栄産業さんは、まさに加工・販売に特化し、質の高い商品をつくることで、福島の農家さんを応援している事業者さんです。建設や建材を事業のメインとしている東栄産業さん。

なぜ、縁もゆかりもない食品の世界に?

「ひとつは、うちの社長が東京農大の教授とお話ししている中で、福島県の休耕地が埼玉県の面積くらいあると言われたそうです。国の食料自給率が由々しき状態という中で、私たちが貢献できることはないかと、休耕地を借りて畑を始めました。ただ、そうこうしているうちに地震が起きてしまいまして。立ち上げて2年目くらいの経験値では、放射能の影響を除去して農業を再開するのは、ハードルが高かったんです」

とおっしゃるのは取締役の安藤秀機さん。

 

「とはいえ、まわりの農家さんの助けを借りながら立ち上げた事業なのに『このつながりをやめます』ということもできない。それならば、その農家さんたちから作物を仕入れて加工品をつくれば、違った形で貢献できるんじゃないかなと思ったんです」

そんな思いから生まれたジャムは、本当にお野菜を食べているような自然な甘さ!

 

枝豆のつぶつぶ感が美味しい 甘さ控えめお野菜ジャム

 

取材に伺ったのは、ちょうど枝豆が旬の時期。人気商品「枝豆のつぶつぶ感が美味しい 甘さ控えめお野菜ジャム」に使用する、収穫したばかりの枝豆を調理しているということで、見学させていただきました。

おじゃまいたします!

黙々とゆでた枝豆を丁寧にむいていらっしゃいます。なんと、一つひとつが手作業!
むきたての枝豆がピカピカと光ってますよ!これはおいしそうです。

 

枝豆を一つひとつ手でむいていく

郡山産の枝豆

 

ふわ〜っと、ほんのり甘い香りがしてきました。次の枝豆がゆで上がったようです。

 

ゆでたての枝豆を丁寧にザルにあげる

 

もの欲しそうにしている私たちに、ご親切にゆでたての枝豆を出してくださいました。

ん〜これをジャムにしているなんてもったいないくらい!
ビールがほしくなる〜!

そのまま食べてもおいしいのも、当然といえます。
材料となる野菜は、つながりのある農家さんこだわりのものを使っているんです。

「枝豆とニンジンは郡山産。ニンジンはブランド野菜の御前人参を使っています。かぼちゃは県南の小野町、ゆずが北限のゆずと言われていた矢祭町のもの。トマトはいわきの水耕栽培です」

フルーツジャムも、あかつき桃やみしらず柿など、福島県のブランドフルーツが並びます。

 

「大手さんと価格競争はしたくないので。皇室に献上しているフルーツなど、地元のブランドをつかったりして、差別化しています。この柿は渋柿で、ジャムにしているのはうちだけだと思います。渋抜きするときに、渋みの酵素をアルコールで閉じ込めるんですが、ジャムにするときに加熱すると、アルコールがとけて、また渋みが復活しちゃうんですよ。それを解決するために、柿を研究されている博士など、専門家の方々と意見を交わしながら工夫を重ね、ようやく今の形になりました」

 

控えめだけど、人情に厚く、努力を続ける。
そんな福島の県民性が表れたような商品ですね!

今はジャムを中心に作られていますが、これから先もジャムを使った他の加工品にチャレンジしていきたいとのこと。おいしいジャムを活かした商品ができるのを、楽しみにしています!

 

ふくしま満天堂 事務局編集部

 

東栄産業の商品

枝豆のつぶつぶ感が美味しい 甘さ控えめお野菜ジャム
あかつき桃のジャム
会津みしらず柿のジャム
ゆずの風味と香り広がる 甘さ控えめお野菜ジャム
トマトとりんごの風味が香る 甘さ控えめミックスジャム